愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
いくらなんでも酷い!!という意味を込めて鋭い視線を送るが和嘩は平然としていた。
ぅう…悔しい………。
なんだか和嘩には一生かかっても勝てない気がする。
「んで、告白の仕方だっけ?」
ぉっと、話が脱線してた。
和嘩の言葉に頷いて肯定を示す。
「告白なんて…人それぞれだけど………自分の本当の気持ちを伝えるもんなんじゃないかな?ってあたしは思うんだけど?」
たしかに………。
人の言葉を借りて言ってもそれは自分の伝えたいこととはズレているかもしれないし、何より本気だってことが伝わるのかどうかも怪しいものだ。
そう考えるとやっぱり和嘩はスゴイ。
「和嘩!! ありがと!!」
あたしはそれだけを言って屋上を後にした。
和嘩に言った言葉は少なくがそれには色んな気持ちを込めている。
気持ちを伝えるときはこういう風にすればいいんだ。
ありのままの気持ちを君に伝えよう───。
梨羽が去った屋上では…。
「相変わらず台風みたい。 でも…ちゃんと気持ちが伝わるといいね」
和嘩のエールが誰にも届かず響いたのだった。