愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
今なら…言える。
ありのままの、本当の気持ちを君に───…。
あたしは靴箱まで行くと急いでローファーに履きかえると猛ダッシュで帰路へついた。
ドアが壊れるんじゃないか?ってくらいの勢いで玄関のドアを開け、ローファーを脱ぎ散らかして自分の部屋へと駆け上がった。
好きな人には少しでも可愛く見られたい。
だけど今この気持ちを伝えなきゃ伝えられなくなってしまうと思い、乱れた髪を整えもせず、制服のままベランダへと出た。
向かいのベランダに足をかけて………っと………。
よし、成功♪
ベランダから相手の部屋のドア?をノックもなしにガラッと開けた。
意味の分からない
「たのもー」
って言葉を添えて。
目の前に広がる光景は………デジャヴュ。
なんと彼・魁迩が着替えていました…。
お互い無言のまま固まる。
先に我に返ったのは…
「オレの着替え、見に来たのか?」
と、なんともとんちんかんなことを言ってきた魁迩。
って…
「いやいや、あたしは着替えを見に来たんじゃなくて告………」
うぉい!! 自分、待とうよ!!