小さな恋のうた
”わかった･･･これからは普通にしててね。”



大分遅れて来たレスには、それしか書いて無かった。

でもちょっとだけ、ビトは安心したみたいで、ありがとうって最後に返事を返していた。



「なんなんだろうな･･･あいつ絶対ビトのこと好きなのにな･･･
何を気にしてるんだろう？」


そういえば、この前のグラミーの時の写真みたよって、ビトに言った。


「ああ、なんかあれからいろいろ大変でさ･･･

今までは、ママだけが注目されてて、僕なんか関係なかったのに、急に僕も色々追いかけ回されたりとか、写真とられたりとかして、困ってたんだ･･･」


だから日本で住むことにしたんだよって、そんな風に話してくれた。

「なんか、僕自身は変わってないのに、周りの扱いがどんどん変わっていっちゃって、戸惑ってるよ･･･」


うちも父さんが芸能人だから、多少そんなことはあるけど、結構庶民的に育てられてるからなぁ･･･


「モモちゃんもしかして、そういうの気にしてるのかな？」



そういえば、モモもそんなこといってたな･･･ビトが有名になっちゃって、変わっちゃったとか何とか。


実際のビトは、ちょっと気が弱くて優しくて、昔とぜんぜんかわらないのにね。


「ビトが遠くの人になっっちゃった気がして、淋しいのかな･･･
さっきもクラスの女子が、キャーキャーいってたしね。」


そんな、僕は変わらないのになって、ビトはそうつぶやいた。
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