小さな恋のうた
暫くすると、母さんからご飯の準備ができたと声をかけられた。

二人で下に降りていこうとすると、モモも部屋から出てきてビトとちょっと目が合った。


「モモちゃん、ホントさっきはゴメンネ。」


モモは俯きながら通り過ぎて、もういいよって言いながら先に下に降りて行った。




居間に下りていくと、ちょうど父さんも帰ってきたところで、みんなでもう先に一杯やっていた。


僕とビトが並んで座ると、モモは父さんの隣にピッタリくっついて、ちょっとこちを避けてるみたいな感じ。


母さんが、僕達の分の食事も持ってきてくれる。
お腹がすいてたから、僕は頂きますって言って、さっそく食べ出した。


「そういえばビトは、今度からおじさんとこに住むんでしょ?学校とかどうするの?」


そう聞いたら、べべさんが自分の行ってたインターナショナルスクールに通わせるって答えた。



「あそこなら、外国からの転校生でも、いじめられたりしないしね。
この子意外と気が弱いからさ。」


なんかそういうとこに通うのも、かっこいいよな。
芸能人の子供って、そういうとこに行くもんなんでしょ?後は有名私立とかさ・・・

僕達は近所の公立中学にいってるから、ちょっと羨ましい。


「僕はレン達と同じ学校の方がいいな・・・」



ビトがそう言うと、近所に住んでるんだから、学校が違っても毎日会えるじゃんっておじさんが笑って慰めた。

「そうだよ、だってもう入学手続き済ませちゃったもん・・・」

もう諦めなさいって、べべさんもそういってビトを説得する。



「大丈夫だよ、またちょくちょく家に遊びにおいでよ。
俺は部活あるけど、モモはいるし・・・」



ビトはチラッとモモの顔を見たけど、奴は知らんぷりして黙々とご飯を食べていた。

全く可愛くないな・・・ホントは嬉しいくせに。
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