小さな恋のうた
「そういえば私も、毎日のようにここにきてたなぁ、懐かしい。」

べべさんがそう言うと、ほんと迷惑なくらい居たよねって父さんが笑った。



「あら、結構仲良くやってたじゃない、私はべべがいてくれて助かったことの方が多いけど。」

母さんも笑って言った。


「タクちゃんと結婚しちゃってからは、姉さん忙しくてあんまりのんびり出来なかったけど、それでもいろんな人がきてたもんね・・・今でもそうなんでしょ?」


なんか、家はいろんな人がいつもいるなって昔から思ってたけど、僕達が生まれる前からそうなんだってちょっと面白かった。


「最近は、大野さんとかカズさんとかこないの?」


しょちゅうきてるよって、今度は僕が答えた。
ほんと気がつくといつもいる感じだしね。

ちなみに、カズさんってのは、僕のおじさんで、母さんの弟。
大野さんってのは、父さんの仕事仲間でもあり、カズおじさんの友達でもあるんだ。



「そういえば、あの結婚式の時、モモちゃんとビトもかわいかったよね・・・
二人も結婚しちゃうみたいな気もしたよ。」


松本のおじさんは、3年前ぐらいに結婚した、同僚の結婚式の時の話をする。


冗談交じりでいったのに、父さんがそんなことあるわけないでしょってマジで怒りだしたのが、なんか大人気ないな。


「なんだよ、マジになるなよ・・・ほんとモモちゃんのことになると、すぐこれなんだから。」
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