小さな恋のうた
そういえば、おじさんもエリートだって、よく父さんが話してたっけな・・・


でも、なんで僕なんだろう?まだちっちゃいし、顔だってそんなにいけてるほうじゃないと思うんだけどな・・・


「ビトなら、それ以外でもいろんなスカウトがくるんじゃない?
あれだけ雑誌とかでちゃって、目立ってたもん。」


でもあの事務所じゃないと、意味ないような気がするんだって、そんなことを言う。


「ねえレン、僕も履歴書出してみるからさ、オーディション通ったら一緒にきてくれない?」


ビトがあんまり真剣に言うから、こっちも何とかしてやりたくなった・・・
そうだって思い立って、この前のジイさんの名刺を探す。


「この人に直接連絡して、松本のおじさんの名前を言えば、すぐレッスン受けさせてもらえるかもよ?
だってビトのほうが、僕よりずっといけてるもん。」


それはレンだけ特別なんじゃないのって、ビトは不信そうに言ったけど、僕はなんか大丈夫な気がするんだ。

試しに明日電話してみようって話しながらいつのまにか寝た。







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