小さな恋のうた
「そんな、まだ俺12歳だもん。好きな女の子も居ないのに。」

そうだよねって、ビトは淋しそうにそういった。



「向こうでは、そういうのって僕ら位の歳でも普通なの?」

普通って事はないけど・・・ビトは言葉を濁した。



「もしかして、ビトはもうやったことあるの?
凄いじゃん、どうだったの?」



思いっきり興味本位で聞いてしまっていた。
だって、一番気になり出す頃じゃん?僕達の年頃って。



「そんな良いもんじゃないよ・・・」

やっぱ年上の人って聞いたら、うんって恥ずかしげに頷いた。



「なんかすげーな、やっぱビトは大人なんだな!?」

ちょっと調子にのってそう言ったら、そんなんじゃないってば!!って本気で怒り出した。


「僕はその気なかったけど、あっちが無理やりって感じで・・・でもちゃんと体が反応しちゃうのがやだった。
僕が好きなのは、モモちゃんだけなのに・・・」


なんかこっちは、見知らぬ世界の話だったんで、なんて言ってあげて良いのかわからなかった。

友達とたまに、エッチなDVDとか見ることあったけど、もう違う世界の話って感じだったしな・・・




「やっぱ好きな子とやりたかったって感じ?」

そりゃそうだよってビトは続ける。


「最後にわけがわからなくなってさ、思わずモモちゃんの事想い出して、切なくなって思わず口に出しちゃったら、その子にひっぱたかれた。」

それでお終いってビトはちょと悔しそうに笑う。
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