小さな恋のうた
朝起きると、ビトは先に起きていて、ちゃんと布団をたたんで着替え終わっていた。

「おはよう。もう朝ご飯できてるってよ・・・」

昨日泣いてたやつとは思えないほど、なんか気持ち良いくらいの笑顔で、ちょっと気持ち悪かった(苦笑)



「やけに早いじゃん・・・
なんかあったの?にやけちゃって。」


そうきいたら、さっき顔を洗いに洗面所に行ったら、モモもちょうどきて昨日と違って笑顔でおはようって言ってくれたって、それだけで喜んでいた。


「レンは今日も学校でしょ?何時ごろ帰るの?」

僕ものそのそ起きだして、着替えはじめた。


「今日は部活もあるから、6時ぐらいかな?モモは先に帰るんじゃない?」


ビトは9月から学校に行く予定だから、もう一足先に夏休みって感じだったので、ちょっと暇みたい。


「一回パパのうちに帰って、また夕方頃くるよ。」

そっかと言って、二人で下に降りて行った。


台所では、母さんとモモが、いそいそと朝食を並べてる。

ご飯と味噌汁と納豆とシャケとおしんこ。
そんな感じの、純和風な朝食。

ビトがそれを見て嬉しそうに、日本に帰ってきたって実感がするって言った。


父さんは先にご飯を食べている。



「おはよう、今日は仕事遅いんだね。」

朝食の時に父さんが居るのって、けっこう珍しいんだ。



「おはよう、ちゃんと眠れたか?」
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