小さな恋のうた
「ねえレン、大丈夫かな・・・僕たち浮いてない?」

確かにな・・・でも頑張るしかないじゃんって、ビトを励ました。




ダンスの講師っぽい男性が僕達のところにきて、おまえがあいつの息子かーって肩を叩かれた。

「俺、おまえの父さんと同期なんだよ。
そのやる気のない感じとか、父親そっくりだな。」

そういって笑われた。


ビトのほうにも、似たようなことを言って笑っていた。




「とりあえず俺に合わせて適当に踊ってみて!?」

講師の先生がそう言って手を叩くと、音楽が流れ出してみんな一斉に踊りはじめた。


ダンスなんか初めてだったし、僕はまるでやる気がないので、適当に身体を動かしてるだけだったけど。

ビトはむこうでそういうのやってたのか、ちゃんとついていってる。

やっぱ親がミュージシャンだと、音感もいいんだろうな。



ふと後ろを見ると、掃除をしてる見覚えのあるジイさんがいた。



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