小さな恋のうた
モモがいなかったから僕が父さんのビールを持ってくる。

「なんか今日は疲れたな・・・」

何かあったのって聞いたら、久しぶりにコンサートやるから、リハーサルがあったって話してくれた。


そういえばって、さっきの入所届を見せて、母さんに相談したことを父さんにも相談してみる。

父さんも真剣に、それを読んでいた・・・


「で、どうするんだよ?ビトがやるからおまえもやるみたいな感じなの?」

そうきかれて、すぐやめてもいいならちょとだけやってみようかなみたいなことを言ったら、急に怒鳴られた。



「そんな甘いこと言ってんなら、はじめっから入るなよ!
みんな真剣にやりたい奴ばっかりなんだよ!!」



次に行く時は、ちゃんと断ってきなさいと、きっぱりと言われて、その後はずっと口をきいてくれなかった。

僕ははじめて父さんにそんな風に叱られて、ちょとだけ泣いた。
そうだよな、みんなやる気ある奴ばっかだったもん・・・僕みたいなのが入ったら、きっと迷惑かけちゃう。
適当なことを言ってしまった自分が恥ずかしくて、凄く反省した。



「ゴメンナサイ・・・」



凹みながら僕はそのまま自分の部屋に戻ろうとしたら、入れ違いでモモが降りてきて、どうしたのって聞かれた。
なんでも無いって涙を見せないように、慌てて上にあがる。

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