小さな恋のうた
最近は、部活で鍛えられてきたからか、結構早い球も打てるようになっていた。

「おまえ、野球部ではどこ守ってるの?」

そうきかれて、まだ一年だから補欠だよって答えた。


「やるなら、やっぱキャッチャーかな?
一番カッコイイじゃん、阿部真之介とかさ。」

そう言ったら、やっぱおまえは俺に似てるなって父さんは笑った。






バッティングセンターの球は、先輩の投げる球よりずっと重くて早かったけど、まっすぐ飛んでくるから打ちやすい。

思い切り良い音をさせて打ちまくっていたら、思わずホームランが出てガッツポーズをとった。


交代に父さんがはじめると、なかなか打てなくて戸惑ってる。






「父さん下手になったんじゃない?」




あんまり上手く打てないもんだから、父さんはもうやめようって言い出して、モモと母さんにお土産のケーキを買ってから帰る事にした。
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