小さな恋のうた
暫くそうしていたら、急にレンの声が聞こえて、びっくりして手を離した。


「ただいまー!モモ~ビト~ケーキ買ってきたから、降りておいでよ~」


今行くーって返事をして、二人で照れながら下に降りた。


お父さんとレンは、汗だくになって、居間で足を投げ出して座っていた。

お帰りなさいって言ったら、二人っきりでなにしてたんだよって、レンにからかわれた。



「エッチなこととかしてたんじゃないのー?」



そんな風にも言われて”するわけないじゃん!"って二人でムキになって声を揃えて否定したり。

「レン、なに言ってんだよ!?」

お父さんが急におろおろして出して、ちょっと面白かった



そして、ケーキを食べ終わったあと、べべさんとビトは二人で帰っていった。

「モモちゃん、明日もまた来るね!」

最後にそう言って、いつものように手を振ってくれる。



「なんだ、すっかり仲直りしたんだね、よかったじゃん。」

レンにそう言われて、まあねって普通に答えた。


「レンが内緒にしてたから、悪いんじゃん。
全く、男同士って何でそうやってなんでも秘密にしたがるの?」



そっちこそ、なんか秘密で話してたんじゃないのって言われて、男と女は秘密があってもいいのって答えた。



「子供が、男と女なんて言うなよ!」

お父さんがそわそわしてそう言うので、ごめんなさいって思わず笑って謝った。

なんだか安心する

お父さんだけは、まだ私をちゃんと子ども扱いしてくれるから。



久しぶりに、家族4人水いらずでご飯を食べたあと、私は自分の部屋に戻ってビトにメールを打った。

さっき言えなかった事を、ちゃんと伝えたいなって思ったから・・・







”ビト大好きだよ☆

これからもずっと一緒にいようね”

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