小さな恋のうた
それから僕は、ちょっとだけ後ろに下がって、モッシュの波に埋もれないように気をつけながら、適当にみんなと同じように踊りながら聞いた。

いつのまにか輪ができていて、知らない人と肩を組んで歌ったりもして、
なんか凄く楽しい!!


ふと後ろの方を見たら、ビトとモモもきていて、手を繋ぎながらステージを見ている様子がチラッと見えた。


なんかいいな。






ライブが終わると、前に居た人たちが一斉にダラダラと後ろに戻ってきた。

さっき助けてくれた彼女も見かけて、思わずさっきはありがとうって声をかけちゃった。


「ああ、大丈夫だった?楽しかったね~♪モンパチ好きなの?」

そうきかれて、うんって思い切り笑顔で答えた。



「そのTシャツカッコイイじゃん、どこのやつ?」

そうきかれて、よくわかんないって答えたら、タグ見せてっていわれて首元をめくられた。


「えーアン○ーカバーなんか着てんの!生意気!!」



子ども扱いされてんのが、むかついたけど、気にしないで話した。


「母さんの知り合いの人がやってるブランドだって。もらったって言ってたよ。」

そういったら、えージョニオさんとお母さん知り合いなの、凄いじゃんってまたビックリされた。


「ねえ一人できてるの?私友達とはぐれちゃってさ。つまんないからしばらく一緒にいない?」

そういわれて、僕もちょうどはぐれちゃたからいいよって答えた。

じゃあなんか飲みにいこう!と言われ、フードコートの方に一緒に向かう。


「なにがいい?付き合ってくれるお礼に、なんかおごってあげる。」

僕はコーラを頼んで、彼女はビールを買った。

二人で乾杯すると、名前はって聞かれた。


「僕はレン。あなたは?」


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