小さな恋のうた
うちに帰ると、ちょっと遅い時間だったからか、母さんの友達とかがたくさん集まっていて、いつものように宴会をしていた。

「ああ、レン君・モモちゃん、お帰りなさーい!」

いつものように大野さんに言われて、ただいまって元気に答える。
べべさんも、最近仕事を長期間休んでるみたいで、しょっちゅうきてる


「そういえば、今日ビトのコンサートだったんでしょ?あの子どうだった?」


べべさんにとっさにきかれて、頑張ってたよって答えた。

「もう凄い人気がでてて、ビックリしたよね~♪」

そうモモに言ったら、うんってまた淋しそうに頷いた。



「モモどうした?元気ないじゃん?」

久しぶりにきてたカズおじさんにもそう言われて、何でもないってモモは用意してあった夕飯を黙々と食べていた。



「ああ、ビトが人気でてたから、ヤキモチやいちゃったんでしょ?」

べべさんが、そのままずばりそんなことを言うから、モモは違うもんってムキになって否定した。



僕もおなかがすいてたし、そのままほっといていっぱいご飯を食べた。
モモはさっさと食べ終わってから、ごちそう様とだけ言い残して、さっさと自分の部屋に行ってしまう・・・


「べべ、あんまりホントの事言うと、あの子すねちゃうわよ。」

母さんがそう言って笑った。


「もうずっとコンサート終わってからああなんだよね」



僕は食べながらそう言ったら、やっぱヤキモチやいてるんだってみんなが面白がってモモの話をしだした。



「さっきビトから電話があってさ、もうすぐ終わるからここによるって言ってたよ?」


そういえば、ビトと最近ゆっくり話してなかったな

今日のコンサートのことも聞きたかったし、早くこないかなって思っていたら、すぐにビトはやってきた。


「こんばんわー遅くなっちゃった。
あれ?モモちゃんは?」

ビトはコンサート後で興奮していたのか、やけに元気にそういった。


< 76 / 82 >

この作品をシェア

pagetop