小さな恋のうた
僕はまたビトのことを思い出していた。


僕もたまに、奴とメールで話したりしてるから、ちょっとは分かる。

ビトは今でも、モモの事が好きで、早く会いたいっていつも言ってる。
でも最近、モモからのメールも少なくなって、淋しいとかもいってた。

レンはどう思う?って聞かれると、もう中学生だから恥ずかしいんだよって答えた。




「そういえば、もうすぐべべが日本に帰国するって。
またビト君にも会えるね。レンも楽しみでしょ?」


ああ、もうそんな時期か・・・ビトがやってくると、なんだか夏がきたなーって気がする。

ビトの母さんであるべべさんが、夏フェスにいつも出るから、それについていって僕達は千葉の海岸で遊んだりしていた。

その後も、近所の中華屋さんで一緒にご飯食べたり、うちにも来て泊まっていったことも何度もあった。



「そういえば、そろそろ日本で暮らすようになるっていってたな・・・
そしたら、毎日遊べるね。」

そうなの?ってビックリして母さんにもう一度聞いた。
そしたらモモも、もう淋しい思いしなくていいじゃん。


「もうビト君も大きくなったし、お父さんと二人で日本で暮らすみたいなこといってたよ。
べべも今までよりこっちに戻ってくる機会も増えそうだって。」


母さんは嬉しそうに、そう教えてくれた。

きっと母さんも、親友にまた会えるのが楽しみなんだろうな・・・


「ビトも、きっともっとでっかくなって、かっこよくなってるだろうね・・・
あいつ外人みたいだもんな。」

そう言ったら、きっと凄いイケメンになってるだろうねって、母さんも笑った。
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