DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~
「ねぇ――」
今度は秋江が訊く。
「あの方は何と仰っているの?」
「そうだよ、あの方は何て?神部さん何か訊いているんだろう?僕らにも教えてくれよ」
和也の言葉に全員が神部を見つめた。
神部が大きく息を吸い込み煙を吐く。
それからゆっくりと口を開いた。
「あの方は、もう暫く様子を見るようにと仰っている」
「でも、神部君。コメットは間違いなくまた石を狙って来る。赤峰君か秋江さんか、あるいは君かあの方か……。いずれにせよ誰かの石が狙われるのは間違いないよ」
影山は話しながら、その場に居る三人を順々に見つめた。
「仕方ないでしょうね。あの石の事では、たとえ神の裁きを受けても仕方の無いような事を私達はしたのですから」
「秋江さん、後悔しているんですか?」
神部は歩み寄ると、床に落ちた藤色の膝掛けを車椅子に座った秋江の膝に掛けた。
「後悔していないと言えば嘘になります。本当はあなただってそうなのではありませんか?」
神部はフッと笑った。
「残念ですが私はまったく後悔などしていませんよ。あなたのように信心深くないせいかもしれませんね」
「神部が崇拝するのはあの方だけだもんな」
肩を竦めた赤峰に、神部がチラリと目をやる。
「とにかく、今はあの方の仰るように様子を見るしかない」
「俺は全然問題ないぜ。いつでも来いって感じさ」
赤峰は片手を軽く振った。
今度は秋江が訊く。
「あの方は何と仰っているの?」
「そうだよ、あの方は何て?神部さん何か訊いているんだろう?僕らにも教えてくれよ」
和也の言葉に全員が神部を見つめた。
神部が大きく息を吸い込み煙を吐く。
それからゆっくりと口を開いた。
「あの方は、もう暫く様子を見るようにと仰っている」
「でも、神部君。コメットは間違いなくまた石を狙って来る。赤峰君か秋江さんか、あるいは君かあの方か……。いずれにせよ誰かの石が狙われるのは間違いないよ」
影山は話しながら、その場に居る三人を順々に見つめた。
「仕方ないでしょうね。あの石の事では、たとえ神の裁きを受けても仕方の無いような事を私達はしたのですから」
「秋江さん、後悔しているんですか?」
神部は歩み寄ると、床に落ちた藤色の膝掛けを車椅子に座った秋江の膝に掛けた。
「後悔していないと言えば嘘になります。本当はあなただってそうなのではありませんか?」
神部はフッと笑った。
「残念ですが私はまったく後悔などしていませんよ。あなたのように信心深くないせいかもしれませんね」
「神部が崇拝するのはあの方だけだもんな」
肩を竦めた赤峰に、神部がチラリと目をやる。
「とにかく、今はあの方の仰るように様子を見るしかない」
「俺は全然問題ないぜ。いつでも来いって感じさ」
赤峰は片手を軽く振った。