DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~


「ホントに千聖のこと好きになっちゃったのね。何かちょっと――」

 思わず口にしそうになった後の言葉を飲み込む。

 途切れた言葉尻に、千聖が一瞬こちらを見る。

「なんだ?」

「うぅん、何でも無い」

(犬にヤキモチ?馬鹿げてるよね)

 未央は気を取り直して微笑んだ。

「さあ、リトル。あっちに行きましょ」

 しかし、リトルはその後も千聖から離れようとはせず――

 結局、北野頼子に引き取られるまでの三日間、千聖の部屋で過ごす事になったのだった。




…★……★……★…



☆NEXT☆


「猛犬の居る蔦の洋館か――」

「え?何?予約券のいる蔦屋の羊羹?」

「何処をどう間違えればそうなるんだ?獰猛な番犬が居る、蔦の絡まった洋風の建物だ」

「分かった!『どうも~』なフランケンが居る、綱の絡まったYahoo!の建物ね」

「耳鼻科へ行け!」

「冗談なのに……」


  MISSION 13  
  ― 蔦の洋館 ― へ続く。

< 124 / 343 >

この作品をシェア

pagetop