DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~
「今日は下見だからこのくらいにしておこう。でも、標的は確認出来たから回収は楽になりそうね。大きな家の割に防犯には力入れて無いみたいだし」
心持ち気持ちが軽くなって、未央は元来た塀の方へ駆け出した。
ベランダのある部屋に灯りがともる。
赤峰はガランとした部屋に入ると、フッと笑った。
「子ネズミは帰ったようだな。来い、ディモス」
ディモスと呼ばれた真っ黒な大きな犬が赤峰の後ろから現れ、窓の傍による。
そして辺りをクンクンと嗅ぎ回ると、部屋の中央に立っていた赤峰の傍に座った。
「覚えたか?次にあの子ネズミが現れたら直ぐに報せろ。俺が味見をしたらおまえにくれてやる」
暗い窓に目をやって、赤峰は微笑んだ。
…★……★……★…
☆NEXT☆
「さて、しっかり下見をしてあるから今日の仕事は楽よね」
「そう上手く行くかな?」
「標的はこれね」
「世の中そんなに甘いモノじゃない」
「あ!こ、これは……」
「おい、聞いてるのか?」
「凄い……」
「おい!」
「え?―― あなた誰?いつからそこに?」
「もういい……」
MISSION 14
―嵐の予感― へ続く。