DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~
教会を飛び出した千聖は、真っ直ぐに駅に走る。
切符を買おうと券売機の前に立ち止まった瞬間、その肩を誰かが掴んだ。
「千―― 千聖……ハァ……ハァ……ハァ……」
「響……なんでこんな所に」
「俺も……教会に居たんだ……よ」
「そうか」
切符を手に話しながら、ホームに向かう。
「何か分かったんだろう?さっきの牧師さんの話で」
千聖は何も答えずに、黙々と歩を進めていた。
「隠すなよ、【飼い葉桶の底】の意味が分かったんだろう?牧師さんが『飼い葉桶』って言った途端、飛び出したじゃないか。俺が分かったのは【飼い葉桶】が【ゆりかご】だって事だけど、それ以上は……」
電車がホームに入って来る。
シューッと音を立ててドアが開く。
「……ああ分かったよ。今夜行くつもりだ」
「俺も行く!俺も未央を助けに行く!」
駅のアナウンスに掻き消されまいと大声で叫んだ響の肩をポンと叩くと、千聖は電車に飛び乗った。
切符を買おうと券売機の前に立ち止まった瞬間、その肩を誰かが掴んだ。
「千―― 千聖……ハァ……ハァ……ハァ……」
「響……なんでこんな所に」
「俺も……教会に居たんだ……よ」
「そうか」
切符を手に話しながら、ホームに向かう。
「何か分かったんだろう?さっきの牧師さんの話で」
千聖は何も答えずに、黙々と歩を進めていた。
「隠すなよ、【飼い葉桶の底】の意味が分かったんだろう?牧師さんが『飼い葉桶』って言った途端、飛び出したじゃないか。俺が分かったのは【飼い葉桶】が【ゆりかご】だって事だけど、それ以上は……」
電車がホームに入って来る。
シューッと音を立ててドアが開く。
「……ああ分かったよ。今夜行くつもりだ」
「俺も行く!俺も未央を助けに行く!」
駅のアナウンスに掻き消されまいと大声で叫んだ響の肩をポンと叩くと、千聖は電車に飛び乗った。