DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~
クレイドル号――
これも神部の手の中だった。
影を持つ七つの石も、絵も最後の場所も、全て神部の――
あの男は謎を解いて、全ての鍵を揃えていたのだ。
でも何故なのだ?
それなら最後の石の数を示せという謎も解いて、宝を手に入れられるはずだ。
なのに何故わざわざ――
それで今度は取引をするという。
いったい何と取り引きするつもりなのだ?
何と未央を――
少し考えて、千聖はフッと笑った。
(考えるのはやめよう。俺は前に進むだけなんだから。そして最後の宝も手に入れるし、未央も取り返す。もう少しだ、未央。もう少しだけ待ってろ。俺は今夜必ずおまえを助け出す。必ず)
千聖は走る電車の窓ガラスに映る自分自身に誓った。
…★……★……★…
☆NEXT☆
「じゃあ……俺は……俺がいつもじいちゃんに生き写しだと言われていたのは」
「言われていたのは?」
「じいちゃんの遺伝子で作られた人間だったからじゃねえの?」
「えっ?じゃあ千聖はメタルギアソリッドのスネイク?」
「そうそう、リキッドとソリッドがいるんだよな。そんでじつはソリッドが優秀でリキッドが残りカスだったんだよな」
「千聖はどっちなの?」
「リキッドだったりして」
「俺は残りカスか !?」
MISSION 31
― ゆりかごの底で ― へ続く。