DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~
 大きく踏み出した足で何かを踏み付け、米村がバランスを崩す。

 そのまま足をバタバタさせたかと思うと、嫌というほど床に腰を打ち付けた。

「うぅぅっっ……」

「クックックックッ……足下、危ないぞ」

 腰を抱えてうずくまる米村を横目で見ながら、神部は腹を抱えて笑いだした。

 笑いながらビー玉を一つ拾い上げ、床にバラ撒かれたビー玉を目掛けて投げ付ける。

 カチーンと音がしてビー玉が散らばると、すぐにさっきの白い猫がじゃれついて来た。

 それから神部は再び足元へ目を落とし、今度は小さなカードを手にした。

『プリンセス・スノーホワイト。確かに頂きました』

「コメットか。猫を味方にするとは―― なかなか面白そうな奴だ」

 神部は目を細めて呟き、ポケットから煙草を取り出して火を付けた。



…★……★……★…


☆NEXT☆

「ね、響。お願いがあるんだけど」

「何だ?未央の願いなら何でも聞いてやるぜ」

「じゃあ千聖と友だちになって」

「何だそんな事か。お断りだね」

「何でも聞いてやるって言ったのに!」

「おまえにあんな事した奴と友だちになんてなれっかよ!」

「まだ言ってる……」

  MISSION4
  ― 千聖と響 ― へ続く。


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