DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~
カチカチと時計の音がやけに大きく聞こえる。
「フッ……クックックックッ……ハハハ……」
暫く黙ったあと急に笑い出した千聖に、未央は怪訝な顔をした。
「千聖?」
「そうか……俺に同情してたのか。聞いたんだ―― 響君に。だから」
「違うわ、そうじゃなくて、そんなんじゃなくて――」
「両親が急に行方不明になって、遺体も何も無いのに乗船名簿に名前があったというだけで突然死んだと言われて、独りぼっちになって、それじゃあさぞかし淋しいでしょうね。可哀想に。そう思って、ここに居るってか !?」
一気に捲くし立てた千聖に、未央は大きく首を横に振った。
「違う!千聖聞いて――」
「淋しそうだった?余計なお世話だ!俺は淋しくなんてない!誰にも同情なんてされたくない!俺を独りぼっちにしちゃいけない?だからここに居る?冗談じゃない!思い上がるな !!」
「違う!違うの千聖。響に聞いたからじゃない。初めて会った夜そう思ったの。あなたの目を見たときそう感じたのよ!」
「煩い!黙れっ!あんたなんかに何が分かるっていうんだ!」
ダンッとテーブルを叩いて千聖が立ち上がる。
それでも未央は言いよどむ事も無く続けた。
「分かるもん!だって千聖、私と同じ目をしてた!私が淋しい時と同じ目してた!」
思わず千聖は開きかけた口を閉じた。
未央の目に、涙がいっぱいに溜まっていたのだ。
「私……淋しいもん。いつも友だちにも響にも元気だよって笑って言ってるけど、ホントは元気な振りすればするほど、どんどんどんどん淋しくなって悲しくなるんだもん。だから分かるもん。分かってないのは千聖の方だよ。淋しいくせに意地張って淋しくないって突っ張ってる千聖の方だよ。自分の心に嘘ついて、正直な気持ちに目をつぶって平気な振りしてる千聖の方が何も分かってないんだ!」
未央はソファーに突っ伏して、大声で泣き出してしまった。
「フッ……クックックックッ……ハハハ……」
暫く黙ったあと急に笑い出した千聖に、未央は怪訝な顔をした。
「千聖?」
「そうか……俺に同情してたのか。聞いたんだ―― 響君に。だから」
「違うわ、そうじゃなくて、そんなんじゃなくて――」
「両親が急に行方不明になって、遺体も何も無いのに乗船名簿に名前があったというだけで突然死んだと言われて、独りぼっちになって、それじゃあさぞかし淋しいでしょうね。可哀想に。そう思って、ここに居るってか !?」
一気に捲くし立てた千聖に、未央は大きく首を横に振った。
「違う!千聖聞いて――」
「淋しそうだった?余計なお世話だ!俺は淋しくなんてない!誰にも同情なんてされたくない!俺を独りぼっちにしちゃいけない?だからここに居る?冗談じゃない!思い上がるな !!」
「違う!違うの千聖。響に聞いたからじゃない。初めて会った夜そう思ったの。あなたの目を見たときそう感じたのよ!」
「煩い!黙れっ!あんたなんかに何が分かるっていうんだ!」
ダンッとテーブルを叩いて千聖が立ち上がる。
それでも未央は言いよどむ事も無く続けた。
「分かるもん!だって千聖、私と同じ目をしてた!私が淋しい時と同じ目してた!」
思わず千聖は開きかけた口を閉じた。
未央の目に、涙がいっぱいに溜まっていたのだ。
「私……淋しいもん。いつも友だちにも響にも元気だよって笑って言ってるけど、ホントは元気な振りすればするほど、どんどんどんどん淋しくなって悲しくなるんだもん。だから分かるもん。分かってないのは千聖の方だよ。淋しいくせに意地張って淋しくないって突っ張ってる千聖の方だよ。自分の心に嘘ついて、正直な気持ちに目をつぶって平気な振りしてる千聖の方が何も分かってないんだ!」
未央はソファーに突っ伏して、大声で泣き出してしまった。