DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~
「あっ!」
途端に声を上げた未央が立ち上がり、響は悪戯をしようとしている時にタイミング悪く見付かってしまった子供のように「わっ!」と叫んで思わず飛び退いた。
「な、何?急に大声出して、驚くじゃん」
「ゴメン!時間だわ。ほら、もう十時」
そう言って響の腕時計を指さす。
「えっ―― 時間って……」
(なんだよ、腕時計見てただけかよ)
先程の期待はただの夢物語だった事と気付いて、響は溜め息をついた。
「もう、帰らなくちゃ。パパが心配するから」
「パパって……おまえの父さん今、太平洋の上だろう?」
「大西洋よ」
「どっちだっていいじゃんそんな事」
「そうでもないわ。試験だったら×もらっちゃうもん」
「あのなぁ――」
途端に声を上げた未央が立ち上がり、響は悪戯をしようとしている時にタイミング悪く見付かってしまった子供のように「わっ!」と叫んで思わず飛び退いた。
「な、何?急に大声出して、驚くじゃん」
「ゴメン!時間だわ。ほら、もう十時」
そう言って響の腕時計を指さす。
「えっ―― 時間って……」
(なんだよ、腕時計見てただけかよ)
先程の期待はただの夢物語だった事と気付いて、響は溜め息をついた。
「もう、帰らなくちゃ。パパが心配するから」
「パパって……おまえの父さん今、太平洋の上だろう?」
「大西洋よ」
「どっちだっていいじゃんそんな事」
「そうでもないわ。試験だったら×もらっちゃうもん」
「あのなぁ――」