DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~
「『響君は今日も元気ね。母さんああいう子、好きよ。響君が千聖の弟だったら、母さん達がいない時も淋しくなくて良かったのにね』って」

 言い終えるや否や、背を向けて東の部屋のドアに向かう。

「千聖――?どうかした?」

「何でもない。まだ仕事残ってるから」

「ねぇご飯は?」

 後を追うように未央は立ち上がった。

「俺はいらない。あんた食べるなら、冷蔵庫にある物で良ければ何か作って食えばいい」

 千聖は後ろ向きのままそう告げて部屋に入ると、静かにドアを閉めた。

 未央は溜め息をついてまたソファーに座った。

「どうしたんだろ。さっきまで笑ってたのに。―― ね、響、私何かいけないこと言った?」

「未央―― あのな……」

 響は未央の耳元に口を寄せ、小さな声で話し始めた。



…★……★……★…


☆NEXT☆

「今度の標的はとってもロマンチックなもの。でも嵩張るのよね」

「何が嵩張るって?あんたここへおかしなモノ持ち込む気じゃないだろうな」

「あっ!千聖―― う、ううん、何でもないよ。ウエディングドレスなんかじゃないから安心して」

「ウエディングドレス?」

「えっ !? どうして分かったの?」

「………」


  MISSION5
  ― デザインを回収せよ ― へ続く。




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