幼なじみ攻略法-ガールズトークを飛び出して-
私はぐっと
服を掴む手に力をいれた。
「嘉弥。」
「ん??」
「行ってくるね。」
「うん。
えみが言いたいこと全部
ぶちまけといで??
それで拒絶とか
あっちがしたら
私がえみより先にぶん殴って
張り倒して蹴り飛ばして...」
「わ、わかったっ。
充分伝わったっ
ありがとうっ。」
そして
途中からにやついて
喋る嘉弥に、私は
もうやめてと付け足した。
すると嘉耶は更に
にやついて、
「那都のこと大好きじゃん。
そんな顔しなくたって
冗談に決まってんじゃん。」
「だよ..」
「ちょっとだけしか
思ってないよ-。」
「...行ってきます。」
嘉弥の目がこれ以上光らないうちに、私は那都君のいるクラスに向かいだした。
正直例えでも
那都君が私のことを
拒絶
するシーンは
想像したくない。
それだけはよく分かった。
でも..
それでも、このまま
モヤモヤ抱えるのは嫌だから、
ちゃんと聞く。
ちゃんと言いたい。
..結果が駄目なら
嘉弥が那都君叱ってくれるもの。
あ、何だかんだ私は
嘉弥に助けられてるらしい..。
あとでちゃんと
お礼を言わなきゃ..。
そんなことを考えてるうちに
教室が見えてきた。
中は賑やかで、
近づくにつれて、
その原因が那都君なことに
気づいた。
告白の日も
那都君の周りには人がいて、
人気者なことを知った。
そして私は那都君のことを
知る度に嬉しくなって、
少し...寂しくなってた。
遠くに居る気がしてしまってたの。