Faylay~しあわせの魔法
それでも大丈夫だと思いたい。

そう、伝えたい。

フェイレイはそんな想いを込めて、リディルの手を包み込んだ。

「あら、お知り合いでしたのね。良かったわ」

女性はニコニコと微笑んだ後、その笑みを消し、丸窓から見える飛行艇たちへ視線を投げた。

「この事態を引き起こしたのは、決して貴女のせいではないわ。カインはギルドが邪魔なの。壊滅させる理由が欲しかったのよ」

女性が静かに歩いてきて、フェイレイたちを見下ろした。

「ギルドが邪魔?」

「ええ。ギルドは対魔族に秀でた軍隊。魔族を操るカインには、さぞ邪魔でしょうね。実際、南のターニア国と西のグルトス国も、惑星王に反逆したと言いがかりをつけられて滅ぼされたわ。……ギルドごとね」

「……ちょっと、待ってください」

ヴァンガードは額を押さえながら、思考を整理しようと努力した。

「魔族を操る? 惑星王が?」

「ええ」

女性は頷いた。

「精霊ではなく!?」

「ええ」

「そして、国をギルドごと滅ぼした!?」

「……何も、聞かされていませんのね。情報が操作されているのかしら」

女性は顎に手をやり、少し考える素振りを見せる。

「でも……何故、国ごと? ギルドが邪魔だというのなら、何故、ギルドだけ狙わない?」

困惑ぎみにヴァンガードは視線を彷徨わす。
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