Faylay~しあわせの魔法
「陛下?」

フェイレイが声をかけると、ローズマリーは振り返った。

「何をしているのです? こちらですよ」

「え?」

「案内をして差し上げます。ついていらっしゃい」

「いえ、陛下にそこまでしていただくわけには……」

「お気になさらず。私、貴方たちについていくことにしましたから」

「……え、ええっ!?」

3人は目を丸くした。

ローズマリーはにっこりと微笑む。

「私、とっても役に立ちますわよ? 先程のように、利用していただいても構いませんし……」

そのとき、艦内にサイレンが鳴り響き、廊下を塞ぐ隔壁が、天井と床からスルスルと出てきた。逃がさないように閉じ込めようとしているらしい。

フェイレイが剣で突破しようと構えようとすると、ローズマリーに手で制された。

「このような場合でも……」

ローズマリーは黒いフードコートをばさりと脱ぎ捨てた。

彼女が中に着ていたのは、デコルテやウエストの肌が丸見えで、体にフィットしたデザインの戦闘服だった。ショートパンツからは艶かしい太腿も見える。

皇后陛下がなんという恰好をしているのだ、と目を剥いていると。

ローズマリーは腰から紅いグローブを取り出し、両手に嵌めた。

そして。



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