Faylay~しあわせの魔法
握り返される手に、フェイレイは思わず顔に笑みを広げる。
そうしてリディルを振り返った。
どうしたの、と問いかけるような瞳に、何でもないと、笑顔で首を振る。
手を握りながら駆けて行く2人の胸の中には、同じ想い。
もう二度と、この手を離したりしない。
ずっとずっと、護っていく。
「元帥、皇后陛下を盾に飛行艇が一艘略奪されました! ヤツラ、そのまま陛下を連れ去るつもりです! いかがなさいますか? このままでは陛下のお命が!」
司令官室にいるアレクセイの元に、そう報告が入る。
「追撃しろ。だが、間違っても撃ってはならん。陛下の無事が最優先だ」
アレクセイがそう命令を出したとき。
机の上に置いてあった通信機が、青白く光りだした。
そこから天井に向かって一筋の光が放たれ、その光の中に、玉座に座る惑星王カインの姿が小さく映し出された。
「陛下」
何を考えているのか分からない微笑を湛えるカインに、アレクセイは右手を胸に当て、スッと頭を下げた。
「申し訳ございません陛下。皇女殿下を連れ去られました」
『ギルドか』
「はい。逃亡中の飛行艇に、皇后陛下も乗せられております。こちらは手出し出来ない状況です」
『……なるほど』
カインはゆったりと足を組みかえると、ニヤリと笑った。
そうしてリディルを振り返った。
どうしたの、と問いかけるような瞳に、何でもないと、笑顔で首を振る。
手を握りながら駆けて行く2人の胸の中には、同じ想い。
もう二度と、この手を離したりしない。
ずっとずっと、護っていく。
「元帥、皇后陛下を盾に飛行艇が一艘略奪されました! ヤツラ、そのまま陛下を連れ去るつもりです! いかがなさいますか? このままでは陛下のお命が!」
司令官室にいるアレクセイの元に、そう報告が入る。
「追撃しろ。だが、間違っても撃ってはならん。陛下の無事が最優先だ」
アレクセイがそう命令を出したとき。
机の上に置いてあった通信機が、青白く光りだした。
そこから天井に向かって一筋の光が放たれ、その光の中に、玉座に座る惑星王カインの姿が小さく映し出された。
「陛下」
何を考えているのか分からない微笑を湛えるカインに、アレクセイは右手を胸に当て、スッと頭を下げた。
「申し訳ございません陛下。皇女殿下を連れ去られました」
『ギルドか』
「はい。逃亡中の飛行艇に、皇后陛下も乗せられております。こちらは手出し出来ない状況です」
『……なるほど』
カインはゆったりと足を組みかえると、ニヤリと笑った。