Faylay～しあわせの魔法
「そうだったのかっ……」

フェイレイは心配そうに小さな精霊たちの頭を指で撫でる。

青色の精霊たちはふるふると首を振り、《大丈夫よ》とにっこり微笑んだ。

「ごめんな。俺、君たちを召喚出来ればいいのに……」

知らずに精霊たちの命を削っていたことが相当ショックだったのか、フェイレイは別人のように顔色を青くして肩を落とす。

それを励ますように、ファリガたちはフェイレイの赤い頭を小さな手で撫でくり回した。

「本当に、こんなに好かれていて何故召喚出来ないのか……不思議でなりません」

「……やっぱ、知性が足りない、からか？」

今にも泣きそうな顔のフェイレイに、ヴァンガードはしばらく沈黙したのち、首を傾げながらも、

「……そうなのかもしれません」

と、呟いた。



しばらくファリガたちに励まされたフェイレイは、落ち込んでいても仕方ない、これからはもっと精霊たちに感謝しながら生きると決意したところで、飛行艇がゆっくりと動き出した。

海の精霊ファリガと、風の精霊グィーネたちの力が働いている。

「父上、母上」

ヴァンガードが振り返る。どうやら、艇を動かしているのはエインズワース夫妻のようだ。やっと精霊士としての本領発揮、といったところか。


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