Faylay~しあわせの魔法
ローズマリーはそれを聞き、僅かに顔を曇らせた。
「カインも……昔はそうでした。いつも彼の周りは、幸せそうに笑う精霊たちで溢れていましたわ」
「……惑星王は、変わったって?」
「変わりました。……あれはカインではないわ」
ローズマリーは言い切った。
「昨日の魔族の攻撃。あれを見て確信しました。あれはカインではない。カインであるはずがないわ。この私を……攻撃してくるなんて」
その事実はよほど辛いらしく、ローズマリーは初めて赤い瞳を揺らした。
ローズマリーがカインに出合ったのは、皇都ギルドで開かれた、御前試合のときだった。
「私、一目惚れされましたの」
ぽっと赤くなった頬を両手で押さえ、ローズマリーは言う。
「惑星王に!?」
「ええ。私の舞のように華麗な拳術に、心臓を撃ちぬかれたのですって」
それは怖い。
壁を打ち崩す彼女の姿を思い出し、フェイレイは密かに思った。
だが、それに一目惚れするとは。ますます惑星王カインという人物が分からなくなった。
「すぐに求婚されましてね。ちょっと戸惑いましたけれど、それをお受けしましたの。当時15歳でしたから、1年間、宮廷で花嫁修行をいたしましてね、それから」
「16歳で!?」
「あら、おかしくはありませんでしょ? 16歳から結婚は認められていますわよ?」
「そうだけど」
ということは、リディルと同じ年である17歳のときには、すでに惑星王の隣で微笑んでいたのだ。
「カインも……昔はそうでした。いつも彼の周りは、幸せそうに笑う精霊たちで溢れていましたわ」
「……惑星王は、変わったって?」
「変わりました。……あれはカインではないわ」
ローズマリーは言い切った。
「昨日の魔族の攻撃。あれを見て確信しました。あれはカインではない。カインであるはずがないわ。この私を……攻撃してくるなんて」
その事実はよほど辛いらしく、ローズマリーは初めて赤い瞳を揺らした。
ローズマリーがカインに出合ったのは、皇都ギルドで開かれた、御前試合のときだった。
「私、一目惚れされましたの」
ぽっと赤くなった頬を両手で押さえ、ローズマリーは言う。
「惑星王に!?」
「ええ。私の舞のように華麗な拳術に、心臓を撃ちぬかれたのですって」
それは怖い。
壁を打ち崩す彼女の姿を思い出し、フェイレイは密かに思った。
だが、それに一目惚れするとは。ますます惑星王カインという人物が分からなくなった。
「すぐに求婚されましてね。ちょっと戸惑いましたけれど、それをお受けしましたの。当時15歳でしたから、1年間、宮廷で花嫁修行をいたしましてね、それから」
「16歳で!?」
「あら、おかしくはありませんでしょ? 16歳から結婚は認められていますわよ?」
「そうだけど」
ということは、リディルと同じ年である17歳のときには、すでに惑星王の隣で微笑んでいたのだ。