Faylay~しあわせの魔法
激しく言い合っている親子を前に、どうしようか困っている様子だったので、リディルはスッと左腕を挙げ、掌を上に向けた。
「ウィスカ」
掌の中にに水色の光が灯り、そこから小さな渦巻きが発生する。
渦巻きはやがて水色のドレスに変わり、同じく水色の髪を靡かせた水の精霊ウィスカが現れた。
ウィスカは悪戯っぽい笑みをリディルに向けた後、フェイレイとアリアに向かって両手を振り上げた。
すると。
何もない頭上から、滝のような水が落ちてきて2人の頭にぶつかって弾けた。
突然降ってきた水に、フェイレイもアリアも目を丸くして言葉を切る。
互いの髪からパタパタと滴り落ちる水滴を見ているうちに、2人はケラケラと笑い出した。
「ごめんリディル、またやっちゃった」
「ああ、すまんリディル、ありがとう」
フェイレイとアリアは同時に礼を言い、アリアは前髪から滴る水を拭い、秘書を振り返った。
「すまん、ブライアン。来たのか?」
アリアが自分に気付いてくれて、秘書のブライアンはホッと表情を崩した。
「はい、今到着しました。お通ししますか?」
「ああ」
ブライアンはペコリと頭を下げると、エレベーターに向かって歩いていく。
「誰か来るの?」
びしょ濡れで重くなったマントの裾を絞りながら、フェイレイが訊く。
「ああ、お前たちに新人を育ててもらおうと思ってな」
「え?」
フェイレイが目を見開いたところに、エレベータ到着音がなり、スッと扉が開いた。
「ウィスカ」
掌の中にに水色の光が灯り、そこから小さな渦巻きが発生する。
渦巻きはやがて水色のドレスに変わり、同じく水色の髪を靡かせた水の精霊ウィスカが現れた。
ウィスカは悪戯っぽい笑みをリディルに向けた後、フェイレイとアリアに向かって両手を振り上げた。
すると。
何もない頭上から、滝のような水が落ちてきて2人の頭にぶつかって弾けた。
突然降ってきた水に、フェイレイもアリアも目を丸くして言葉を切る。
互いの髪からパタパタと滴り落ちる水滴を見ているうちに、2人はケラケラと笑い出した。
「ごめんリディル、またやっちゃった」
「ああ、すまんリディル、ありがとう」
フェイレイとアリアは同時に礼を言い、アリアは前髪から滴る水を拭い、秘書を振り返った。
「すまん、ブライアン。来たのか?」
アリアが自分に気付いてくれて、秘書のブライアンはホッと表情を崩した。
「はい、今到着しました。お通ししますか?」
「ああ」
ブライアンはペコリと頭を下げると、エレベーターに向かって歩いていく。
「誰か来るの?」
びしょ濡れで重くなったマントの裾を絞りながら、フェイレイが訊く。
「ああ、お前たちに新人を育ててもらおうと思ってな」
「え?」
フェイレイが目を見開いたところに、エレベータ到着音がなり、スッと扉が開いた。