Faylay~しあわせの魔法
「辛いことも多いだろうけど、お前たちならきっと乗り越えられる。必ず生き延びて、帰ってくるんだよ」
「あはは、母さんと同じこと言う」
フェイレイが笑うと、ランスも笑った。
「ハハ、そうか。じゃあ、母さんと一緒に、待っているからね」
「うん」
フェイレイもリディルも、小さく頷く。
「絶対、帰ってくるよ」
逃げ続ける旅が、終わりを迎えられるのかは分からない。
けれど絶対にこの人達のもとへ帰るのだと、そんな希望を持って行くのは悪くない。
静かに爆ぜる暖炉の火の音を聞きながら眠りに落ちた子供たちの寝顔を眺め、ランスは穏やかな表情だ。
「フライングするところだったな」
そう呟きながら、昔を思い出す。
10年前のことだ。
フェイレイが助けた少女が皇女殿下であると、同じ頃保護したエインズワース夫妻から聞かされたアリアは、リディルを保護するか、それとも皇都に戻すか悩んでいた。
夫妻からリディルの境遇を聞けば、同情をせずにはいられない。
しかし皇女を匿うというのは、皇家に歯向かい、ギルドや自分の家族を破滅させる危険な行為であるのだ。
「あはは、母さんと同じこと言う」
フェイレイが笑うと、ランスも笑った。
「ハハ、そうか。じゃあ、母さんと一緒に、待っているからね」
「うん」
フェイレイもリディルも、小さく頷く。
「絶対、帰ってくるよ」
逃げ続ける旅が、終わりを迎えられるのかは分からない。
けれど絶対にこの人達のもとへ帰るのだと、そんな希望を持って行くのは悪くない。
静かに爆ぜる暖炉の火の音を聞きながら眠りに落ちた子供たちの寝顔を眺め、ランスは穏やかな表情だ。
「フライングするところだったな」
そう呟きながら、昔を思い出す。
10年前のことだ。
フェイレイが助けた少女が皇女殿下であると、同じ頃保護したエインズワース夫妻から聞かされたアリアは、リディルを保護するか、それとも皇都に戻すか悩んでいた。
夫妻からリディルの境遇を聞けば、同情をせずにはいられない。
しかし皇女を匿うというのは、皇家に歯向かい、ギルドや自分の家族を破滅させる危険な行為であるのだ。