Faylay~しあわせの魔法
うっすらと雲のかかる高い山脈の青い稜線を眺めながら、優しい日差しの降り注ぐ街道をいく。
徹底してギルドの傭兵が進入を防いでいる街中では、影も形もなかった魔族であるが、町境まで来るとポツポツと出始めた。
それらを軽くあしらいながら数日歩き続けたパーティは現在。
訓練中である。
「来いヴァン! 俺に当てんなよぉ~!」
街道に群れで現れた、小型の陸棲魔族たちに突っ込んでいくフェイレイの後ろで、ヴァンガードが魔銃を構える。
「当たりそうだったら避けて下さいよ」
息を切らしながらそう言い、フェイレイに飛び掛る魔物を片っ端から吹き飛ばしていく。
フェイレイは肌を掠めていく風を感じながら、飛び上がったり木々を壁にしたりして、ただ逃げ回る。
そうして倒した後、戻ってきたフェイレイ、そして待機していたリディルとローズマリーがヴァンガードの隣一直線に並んだ。
「よし、ここは終わり。じゃ、次、行くぞ!」
よーい、で全員が構え、どん、で走り出す。
次に魔族が出没するまで、全速力で走るのだ。
このパーティの一番の弱点は、体力に差がありすぎる、ということだった。
技術的には何の問題もないが、魔族に襲われるのがいつも万全な状態だとは限らない。そのための演習も兼ね、ヴァンガードとリディルの体力強化がこの訓練の目的である。
リディルは精霊の女王を召喚出来るという、他の誰よりも強みを持っているにも関わらず、体力が追いつかず、実戦では使えない。
ヴァンガードも、疲れが溜まれば命中率が落ちてしまう。どんな状況でも頭も体も動けるように、力をつけないといけない。
何より、フェイレイの動きについていけるようにならなければ、パーティとしては成り立たないのである。
徹底してギルドの傭兵が進入を防いでいる街中では、影も形もなかった魔族であるが、町境まで来るとポツポツと出始めた。
それらを軽くあしらいながら数日歩き続けたパーティは現在。
訓練中である。
「来いヴァン! 俺に当てんなよぉ~!」
街道に群れで現れた、小型の陸棲魔族たちに突っ込んでいくフェイレイの後ろで、ヴァンガードが魔銃を構える。
「当たりそうだったら避けて下さいよ」
息を切らしながらそう言い、フェイレイに飛び掛る魔物を片っ端から吹き飛ばしていく。
フェイレイは肌を掠めていく風を感じながら、飛び上がったり木々を壁にしたりして、ただ逃げ回る。
そうして倒した後、戻ってきたフェイレイ、そして待機していたリディルとローズマリーがヴァンガードの隣一直線に並んだ。
「よし、ここは終わり。じゃ、次、行くぞ!」
よーい、で全員が構え、どん、で走り出す。
次に魔族が出没するまで、全速力で走るのだ。
このパーティの一番の弱点は、体力に差がありすぎる、ということだった。
技術的には何の問題もないが、魔族に襲われるのがいつも万全な状態だとは限らない。そのための演習も兼ね、ヴァンガードとリディルの体力強化がこの訓練の目的である。
リディルは精霊の女王を召喚出来るという、他の誰よりも強みを持っているにも関わらず、体力が追いつかず、実戦では使えない。
ヴァンガードも、疲れが溜まれば命中率が落ちてしまう。どんな状況でも頭も体も動けるように、力をつけないといけない。
何より、フェイレイの動きについていけるようにならなければ、パーティとしては成り立たないのである。