Faylay~しあわせの魔法
「ううっ!」
傷ついた顔で、フェイレイは自分の胸を押さえる。
「あ、あの、フェイレイさんは精霊が見えるのですから、練習すれば、召べるのでは?」
精霊たちは、自分たちが気に入った人間にしか姿を見せず、力も貸さない。人と精霊は共存してはいるものの、そこにはやはり、見えない壁が存在していた。
「あー、リディルにもそう言われたけどー」
精霊たちはフェイレイを慕っている。そういう人間は、精霊を召還出来るはずなのに。
「決定的に知性が足りないんだろうって、母さんには言われた」
「……そうですか」
ヴァンガードは思い切り納得した。
そうして下まで下りると、わりと広い本坑に出た。
地上にあった重機を入れるのだ、余裕を持たせて掘ってあるのだろう。天井は見上げるほどに高い。
本坑を中心に、あちこちに細い道が広がっている。脇に入ると迷子になりそうだ。
「真っ直ぐで……いいみたいだな」
フェイレイはここに下り立った瞬間から、ビリビリと肌に感じるものがあった。この気配は間違いなく、魔族のものだ。
「何か、いますか?」
訊ねるヴァンガードの声も、心なしか小さくなる。
「いる。……なんか、デカいのがいるぞ」
傷ついた顔で、フェイレイは自分の胸を押さえる。
「あ、あの、フェイレイさんは精霊が見えるのですから、練習すれば、召べるのでは?」
精霊たちは、自分たちが気に入った人間にしか姿を見せず、力も貸さない。人と精霊は共存してはいるものの、そこにはやはり、見えない壁が存在していた。
「あー、リディルにもそう言われたけどー」
精霊たちはフェイレイを慕っている。そういう人間は、精霊を召還出来るはずなのに。
「決定的に知性が足りないんだろうって、母さんには言われた」
「……そうですか」
ヴァンガードは思い切り納得した。
そうして下まで下りると、わりと広い本坑に出た。
地上にあった重機を入れるのだ、余裕を持たせて掘ってあるのだろう。天井は見上げるほどに高い。
本坑を中心に、あちこちに細い道が広がっている。脇に入ると迷子になりそうだ。
「真っ直ぐで……いいみたいだな」
フェイレイはここに下り立った瞬間から、ビリビリと肌に感じるものがあった。この気配は間違いなく、魔族のものだ。
「何か、いますか?」
訊ねるヴァンガードの声も、心なしか小さくなる。
「いる。……なんか、デカいのがいるぞ」