Faylay~しあわせの魔法
闇夜に浮かび上がる、不死鳥の輝き。
触れればたちまち灰となって消えてしまうような、激しい業火を纏った火の女王がリディルの横にすう、と現れた。
召喚者、及び護るべき者には闘争心を奮い立たせ、力強く前へ突き進んでいく力を与える。
だが、敵となった者には容赦しない。
牧草を赤く照らす灼熱の炎は、それらをただ揺らすだけで燃やすことなく、女だけを狙って襲い掛かった。
しかし女は激しい勢いで飛んでくる炎の塊を、素早くかわして飛ぶ。
蝙蝠の力を吸収して大きな黒い羽根を広げた女のスピードは格段に上がり、ヴァンガードの腕でも追いつけなくなっていた。
飛び回りながら細い針のようなものを撃ってくる女に、ティナの女王が焔色の瞳を向ける。
細い針はそれだけで一瞬で燃やし尽くされた。だが女を射止めるまでには至らない。
「女王がなんだ!」
鬼のような形相で叫ぶ。
「私の猊下への愛に比べたら、こんなもの!」
掠めていくだけで身を焼かれる炎にも決して臆さず、後退しなかった。ジリジリと女王の炎を削り、リディルの力ももぎ取っていく。
そのたびにリディルは身体を震わせた。
精霊の女王の力を持ってしても、女を完全に抑えることが出来ない。それは、自分の力の無さゆえだ。
もっと力があれば、女王の力を完全に引き出してやれるのに。
ティナの女王は、向かってくる女に攻撃しながらリディルに視線をやった。
触れればたちまち灰となって消えてしまうような、激しい業火を纏った火の女王がリディルの横にすう、と現れた。
召喚者、及び護るべき者には闘争心を奮い立たせ、力強く前へ突き進んでいく力を与える。
だが、敵となった者には容赦しない。
牧草を赤く照らす灼熱の炎は、それらをただ揺らすだけで燃やすことなく、女だけを狙って襲い掛かった。
しかし女は激しい勢いで飛んでくる炎の塊を、素早くかわして飛ぶ。
蝙蝠の力を吸収して大きな黒い羽根を広げた女のスピードは格段に上がり、ヴァンガードの腕でも追いつけなくなっていた。
飛び回りながら細い針のようなものを撃ってくる女に、ティナの女王が焔色の瞳を向ける。
細い針はそれだけで一瞬で燃やし尽くされた。だが女を射止めるまでには至らない。
「女王がなんだ!」
鬼のような形相で叫ぶ。
「私の猊下への愛に比べたら、こんなもの!」
掠めていくだけで身を焼かれる炎にも決して臆さず、後退しなかった。ジリジリと女王の炎を削り、リディルの力ももぎ取っていく。
そのたびにリディルは身体を震わせた。
精霊の女王の力を持ってしても、女を完全に抑えることが出来ない。それは、自分の力の無さゆえだ。
もっと力があれば、女王の力を完全に引き出してやれるのに。
ティナの女王は、向かってくる女に攻撃しながらリディルに視線をやった。