Faylay~しあわせの魔法
しかしもう限界だ。
火柱の中の炎が薄れていくのがはっきり分かった。
駄目で元々、ヴァンガードは通常弾をセットして構え、飛び回る女へ銃口を向けた。そのとき。
インカムからフェイレイの怒鳴り声が聞こえてきた。
『本物のリディルの方が、百万倍もかわいいんだ』──と。
「なに、……」
こんなときに何を言っているのだろう、とリディルが顔を真っ赤にしたところで、彼女の限界が訪れた。
グラリ、と火柱が倒れる。リディルの方角へと。
《マスター、私を還せ!》
ティナの女王が焦りを滲ませながら叫ぶ。
その言葉に従い、リディルはティナへ注ぐ魔力を止め、彼女を解放する。それで火柱は消え去った。舞い降りてきた竜巻の名残が、リディルの身体を弄る。
顔を腕で覆い、暴風をやり過ごしていると、今度は女がリディルに向かって突っ込んできた。
「どうやら力が尽きたようだね、皇女殿下ぁ!」
激しい火傷を負いながらも、女は衰えないスピードでやってくる。
「ウィルダス!」
両手を突き出し、土の精霊を召喚する。
しかしすでに限界を超えているリディルでは、精霊の力を存分に発揮させることが出来なかった。
女は現れた土の壁をあっさりと薙ぎ払い、鋭い爪でリディルに襲い掛かる。
火柱の中の炎が薄れていくのがはっきり分かった。
駄目で元々、ヴァンガードは通常弾をセットして構え、飛び回る女へ銃口を向けた。そのとき。
インカムからフェイレイの怒鳴り声が聞こえてきた。
『本物のリディルの方が、百万倍もかわいいんだ』──と。
「なに、……」
こんなときに何を言っているのだろう、とリディルが顔を真っ赤にしたところで、彼女の限界が訪れた。
グラリ、と火柱が倒れる。リディルの方角へと。
《マスター、私を還せ!》
ティナの女王が焦りを滲ませながら叫ぶ。
その言葉に従い、リディルはティナへ注ぐ魔力を止め、彼女を解放する。それで火柱は消え去った。舞い降りてきた竜巻の名残が、リディルの身体を弄る。
顔を腕で覆い、暴風をやり過ごしていると、今度は女がリディルに向かって突っ込んできた。
「どうやら力が尽きたようだね、皇女殿下ぁ!」
激しい火傷を負いながらも、女は衰えないスピードでやってくる。
「ウィルダス!」
両手を突き出し、土の精霊を召喚する。
しかしすでに限界を超えているリディルでは、精霊の力を存分に発揮させることが出来なかった。
女は現れた土の壁をあっさりと薙ぎ払い、鋭い爪でリディルに襲い掛かる。