Faylay~しあわせの魔法
「ヤバい」

そう呟いた瞬間、天井が音を立てて崩れてきた。

ドラゴンの咆哮と尻尾の攻撃で、岩盤に亀裂が入ったのだ。

「ヴァン!」

「うわああああっ」

2人は見事に岩の下敷きになる。




「フェイ!」

精霊たちの力でぼんやりと事の顛末を見ていたリディルは、バッとガイドを振り返った。

「魔族避けのアイテムは持っていますか?」

「は、はい、ちゃんとここに」

ガイドは胸ポケットに入った、小さなサシェを取り出した。この中に、魔族が嫌うという香草が入っている。

「それを放さず持っていてください。私、中に入ります」

「えっ、しかし、中にいるのはドラゴンなのでは!?」

「少ししたら応援が到着します。その人達の道案内をお願いします」

「ちょ、ちょっと、精霊士さん!」

ガイドの静止を振り切り、リディルは立坑の中へと入っていった。

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