Faylay~しあわせの魔法
イライザ姫の提案に、周りからは更に拍手と歓声が沸きあがった。
「それは素晴らしい!」
「では神父様も呼んでこなくては」
侍女たちがそう囁きあいながらわたわたと動き出すのを見て、リディルが慌てて止めた。
「それは、駄目」
「え、駄目なの?」
このまま流れに任せてもいいかな、なんて思っていたフェイレイは、少しガッカリしたのだが。
「だって。……父さんと母さんに、ちゃんと言ってからにしたい、よね?」
優しい笑みを浮かべてそう言うリディルに、フェイレイは胸が熱くなるのを感じた。
ああ、やっぱり。
この子を選んで良かった、と。
「ありがとう。リディル、大好きだー!」
がば、とフェイレイに抱きつかれて、リディルは慌てて胸を押し返した。
「みんな見てるから!」
「もういいよ。全部見られたんだもん」
「そういう問題じゃ……」
フェイレイは構わずリディルを抱きしめ、「好きだよ」と囁く。
今まで気持ちを押さえ込んでいた分──周りにはそうは見えていないのだが、本人はそのつもりなのである──こんな風にちゃんと伝えられることが嬉しくて堪らなかった。
そんな2人を、周りも祝福する。
ヴァンガードも、苦笑しながら見守る。
ここまで見せ付けられると、悔しいとか、哀しいとかいうよりも、ただ呆れるしかなかった。
「それは素晴らしい!」
「では神父様も呼んでこなくては」
侍女たちがそう囁きあいながらわたわたと動き出すのを見て、リディルが慌てて止めた。
「それは、駄目」
「え、駄目なの?」
このまま流れに任せてもいいかな、なんて思っていたフェイレイは、少しガッカリしたのだが。
「だって。……父さんと母さんに、ちゃんと言ってからにしたい、よね?」
優しい笑みを浮かべてそう言うリディルに、フェイレイは胸が熱くなるのを感じた。
ああ、やっぱり。
この子を選んで良かった、と。
「ありがとう。リディル、大好きだー!」
がば、とフェイレイに抱きつかれて、リディルは慌てて胸を押し返した。
「みんな見てるから!」
「もういいよ。全部見られたんだもん」
「そういう問題じゃ……」
フェイレイは構わずリディルを抱きしめ、「好きだよ」と囁く。
今まで気持ちを押さえ込んでいた分──周りにはそうは見えていないのだが、本人はそのつもりなのである──こんな風にちゃんと伝えられることが嬉しくて堪らなかった。
そんな2人を、周りも祝福する。
ヴァンガードも、苦笑しながら見守る。
ここまで見せ付けられると、悔しいとか、哀しいとかいうよりも、ただ呆れるしかなかった。