Faylay~しあわせの魔法
「一緒に、しあわせになろうな」

「……うん」

繋がれたままの手を引き合い、そっと口付けを交わす。

大広間から漏れる円舞曲は、そんな2人を温かく包み込み、雨音と交じり合って暗い空へ七色の虹を架け渡した。

その先には、希望に満ち溢れた未来が。

すべての人々が笑顔になれる、素敵な世界が広がっているようにも思えた。

けれど……。




これが2人の、一番“しあわせ”な時であったことを。

今の彼らには、知る由もない……。







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