Faylay~しあわせの魔法
「赤土色のドラゴンは、火属性。攻撃は、氷で」
ブツブツと呟きながら、震える手で照準を合わせる。魔力を注ぎ装填するのは、氷の精霊アランの力を篭めた、『氷弾』。
「当たれっ……!」
岩壁に叩きつけられたフェイレイを襲おうとしているドラゴンに向けて、魔弾を二発連続で発射する。
狙ったのは目だ。
あの硬い鱗は全ての攻撃を跳ね返してしまう。だが、目は唯一の弱点だ。
ドン、ドン、と弾はドラゴンに直撃する。ひとつは右目に当たったようだ。だが左目は僅かに逸れてしまった。
ドラゴンの鋭い左目が、ヴァンガードを捕らえる。怒りに満ちた目で、ズン、とこちらに向かって歩き出した。
「ううっ……」
絶体絶命だ。正面から攻撃したところで、ドラゴンの手に弾かれてしまうだろう。
「これまで、だ……」
諦めて、目を閉じたとき。
『ヴァン、状況を説明して、早く!』
インカムから、リディルの声が聞こえてきた。
その声に再び目を開けたヴァンガードは、向かってくるドラゴンに恐怖を覚えながら、震える口を開こうとした。
そこへ。
フェイレイが駆けてきて、ヴァンガードのいる岩山の前に立ち塞がった。
ブツブツと呟きながら、震える手で照準を合わせる。魔力を注ぎ装填するのは、氷の精霊アランの力を篭めた、『氷弾』。
「当たれっ……!」
岩壁に叩きつけられたフェイレイを襲おうとしているドラゴンに向けて、魔弾を二発連続で発射する。
狙ったのは目だ。
あの硬い鱗は全ての攻撃を跳ね返してしまう。だが、目は唯一の弱点だ。
ドン、ドン、と弾はドラゴンに直撃する。ひとつは右目に当たったようだ。だが左目は僅かに逸れてしまった。
ドラゴンの鋭い左目が、ヴァンガードを捕らえる。怒りに満ちた目で、ズン、とこちらに向かって歩き出した。
「ううっ……」
絶体絶命だ。正面から攻撃したところで、ドラゴンの手に弾かれてしまうだろう。
「これまで、だ……」
諦めて、目を閉じたとき。
『ヴァン、状況を説明して、早く!』
インカムから、リディルの声が聞こえてきた。
その声に再び目を開けたヴァンガードは、向かってくるドラゴンに恐怖を覚えながら、震える口を開こうとした。
そこへ。
フェイレイが駆けてきて、ヴァンガードのいる岩山の前に立ち塞がった。