Faylay~しあわせの魔法
3人の女王の召喚は、リディルの身体を極限まで衰弱させた。
それを横で見ているしか出来ないヴァンガードは、歯噛みしながら魔銃を真上に構えた。
精霊がまったくいないので力は借りられず、手動で弾を装填する。
「気休めにしかなりませんが……」
ヴァンガードは、森の精霊フォレイスの力を込めた『救命弾』を放った。
このアライエルに入ってから、もし精霊がいない事態になっても威力のある弾を撃つことは出来ないかとリディルに相談し、出来た弾だった。
魔力に余裕のあるときに精霊の力を空の薬莢に詰め、コツコツとためてきた。
緑色の光がキラキラと降り注ぎ、リディルを優しく包み込む。
その優しい風に気づいて、リディルは微笑んだ。
「ありがとう」
小さな声に覇気はない。
更に護衛艦やティル・ジーアからは黒い飛行艇が飛び出してきた。半分は青い飛行艇を攻撃するため、半分は兵士を地上へ送り込むためだ。
「地上戦も展開するつもりなのね」
リディルたちのいるバルコニーへ姿を現したローズマリーは、酷く苛ついている様子だった。
赤い瞳を鋭くして、空に浮かぶティル・ジーアを見上げる。
「直接アレクセイを殴りに行こうかとも思いましたが、地上部隊を援護した方が良さそうね。ヴァンくんはこのままリディルの傍にいて」
「はい。ですが、ローズさんもここはアライエルの兵士たちに任せて……」
「原因が私の夫と幼馴染なのです。黙って見ているわけにはいきませんわ」
それを横で見ているしか出来ないヴァンガードは、歯噛みしながら魔銃を真上に構えた。
精霊がまったくいないので力は借りられず、手動で弾を装填する。
「気休めにしかなりませんが……」
ヴァンガードは、森の精霊フォレイスの力を込めた『救命弾』を放った。
このアライエルに入ってから、もし精霊がいない事態になっても威力のある弾を撃つことは出来ないかとリディルに相談し、出来た弾だった。
魔力に余裕のあるときに精霊の力を空の薬莢に詰め、コツコツとためてきた。
緑色の光がキラキラと降り注ぎ、リディルを優しく包み込む。
その優しい風に気づいて、リディルは微笑んだ。
「ありがとう」
小さな声に覇気はない。
更に護衛艦やティル・ジーアからは黒い飛行艇が飛び出してきた。半分は青い飛行艇を攻撃するため、半分は兵士を地上へ送り込むためだ。
「地上戦も展開するつもりなのね」
リディルたちのいるバルコニーへ姿を現したローズマリーは、酷く苛ついている様子だった。
赤い瞳を鋭くして、空に浮かぶティル・ジーアを見上げる。
「直接アレクセイを殴りに行こうかとも思いましたが、地上部隊を援護した方が良さそうね。ヴァンくんはこのままリディルの傍にいて」
「はい。ですが、ローズさんもここはアライエルの兵士たちに任せて……」
「原因が私の夫と幼馴染なのです。黙って見ているわけにはいきませんわ」