Faylay~しあわせの魔法
アレクセイが目にも留まらぬ速さで剣を振るうと、凄まじい剣圧が刃となってフェイレイに襲い掛かった。
「──っ!!」
前へ進めていた足を止め、2本の剣を盾にしてその刃を防ぐ。
だが、抑え切れなかった。
凄まじい風圧に弾き飛ばされ、甲板の上をゴロゴロと転がっていく。
危うく甲板から空へと転がり落ちるところを、既のところで剣の一本を甲板の木板に突き刺し、素早く立ち上がった。
そこにはすでに、アレクセイが立ちはだかっていた。
歯を食いしばって襲い掛かかってくる剣を受け止め、横に飛び退る。
追いかけてくる鋭い剣を紙一重でかわしたものの、胸から腹にかけて皮一枚斬られた。
パッと飛び散る鮮血が灰色の雨の中に飛び、交じり合うのを見ながら更に後退する。
それでも逃れられることは出来ない。ならば攻撃に転じるしかない。
甲板に出来た水溜りを靴に乗せ、蹴り上げてアレクセイの目を一瞬だけ潰す。瞬間、身体を回転させながらふたつの剣から風の刃を繰り出した。
アレクセイはそれを素早く弾き、更にフェイレイを追い詰める。
フェイレイは確かに強くなっていた。
初めてセルティアで対峙したときよりもずっと。
二刀流にしたのも良い判断だった。
一本の剣で動きを止め、次の攻撃がどう来るのか、良く見て判断出来る。そうすることで余裕が出来、格上の相手とも渡り合うことが出来るようになる。
そういう状況判断もいいし、纏まりのなかった力も安定してきた。
この三週間ほどの間に、目覚しいほどの成長を遂げているのが良く分かる。
「──っ!!」
前へ進めていた足を止め、2本の剣を盾にしてその刃を防ぐ。
だが、抑え切れなかった。
凄まじい風圧に弾き飛ばされ、甲板の上をゴロゴロと転がっていく。
危うく甲板から空へと転がり落ちるところを、既のところで剣の一本を甲板の木板に突き刺し、素早く立ち上がった。
そこにはすでに、アレクセイが立ちはだかっていた。
歯を食いしばって襲い掛かかってくる剣を受け止め、横に飛び退る。
追いかけてくる鋭い剣を紙一重でかわしたものの、胸から腹にかけて皮一枚斬られた。
パッと飛び散る鮮血が灰色の雨の中に飛び、交じり合うのを見ながら更に後退する。
それでも逃れられることは出来ない。ならば攻撃に転じるしかない。
甲板に出来た水溜りを靴に乗せ、蹴り上げてアレクセイの目を一瞬だけ潰す。瞬間、身体を回転させながらふたつの剣から風の刃を繰り出した。
アレクセイはそれを素早く弾き、更にフェイレイを追い詰める。
フェイレイは確かに強くなっていた。
初めてセルティアで対峙したときよりもずっと。
二刀流にしたのも良い判断だった。
一本の剣で動きを止め、次の攻撃がどう来るのか、良く見て判断出来る。そうすることで余裕が出来、格上の相手とも渡り合うことが出来るようになる。
そういう状況判断もいいし、纏まりのなかった力も安定してきた。
この三週間ほどの間に、目覚しいほどの成長を遂げているのが良く分かる。