Faylay~しあわせの魔法
「何が起きたの……」
ローズマリーは赤い瞳を戸惑いに揺らしながら、何もなくなった空を呆然と見上げていた。
空に浮かんでいた戦艦も、たった今戦っていた兵士たちも、今までそこにあったものが綺麗さっぱり消えている。
あまりの出来事に、まるで夢でも見ているかのようだった。
やがて、白い光に呑まれて辺りには何もなくなったという話を、過去に聞いていたことを思い出す。
「リディル……?」
まさか彼女が?
そう思ったときだった。
「人だ! 人が落ちてくるぞ!」
真っ白になった空をよく見ようと、屋根の上に上がっていた民衆たちから声が上がった。
その声に、ローズマリーも目を凝らす。
真っ白になった空から、キラキラと光るものが落ちてくるのが見えた。それはふわふわと、シャボン玉のように柔らかな動きで降りてくる。
確かに良く見れば人だ。
だが、精霊の力がない今──どうやってあんなにゆっくりとしたスピードで降りることが出来るのか……。
呆気に取られてそれを眺めている人々と肩を並べ、落ちてくる人をジッと見つめていたローズマリーの瞳に、赤い髪がふわふわと揺れているのが見えた。
「──フェイレイくん!」
ローズマリーは走る。その落下地点まで、全速力で。
ローズマリーは赤い瞳を戸惑いに揺らしながら、何もなくなった空を呆然と見上げていた。
空に浮かんでいた戦艦も、たった今戦っていた兵士たちも、今までそこにあったものが綺麗さっぱり消えている。
あまりの出来事に、まるで夢でも見ているかのようだった。
やがて、白い光に呑まれて辺りには何もなくなったという話を、過去に聞いていたことを思い出す。
「リディル……?」
まさか彼女が?
そう思ったときだった。
「人だ! 人が落ちてくるぞ!」
真っ白になった空をよく見ようと、屋根の上に上がっていた民衆たちから声が上がった。
その声に、ローズマリーも目を凝らす。
真っ白になった空から、キラキラと光るものが落ちてくるのが見えた。それはふわふわと、シャボン玉のように柔らかな動きで降りてくる。
確かに良く見れば人だ。
だが、精霊の力がない今──どうやってあんなにゆっくりとしたスピードで降りることが出来るのか……。
呆気に取られてそれを眺めている人々と肩を並べ、落ちてくる人をジッと見つめていたローズマリーの瞳に、赤い髪がふわふわと揺れているのが見えた。
「──フェイレイくん!」
ローズマリーは走る。その落下地点まで、全速力で。