Faylay~しあわせの魔法
「フェイ!」
手を伸ばしても、もう届かない。
このまま離れたらもう二度と逢えないような気がして、リディルは必死に手を伸ばした。
けれども、その手がフェイレイに届くことはない。
ふと、遥か下の方に、懸命に駆けてくるピンクブロンドの髪をした女性の姿が見えた。
「ローズさん! ローズさん! フェイを、お願いっ……!」
普段叫んだりしないリディルが、精一杯声を張り上げてローズマリーに想いを託した。
それがローズマリーに届いていたのかは分からない。
リディルの意識は、白い光の中へと吸い込まれていく。
(フェイ……フェイ……)
薄れる意識の中でも、ずっと呼び続ける。
「大丈夫」
リディルの願いを込めた小さな声に、凛とした女性の声が響いた。
「貴女が助けたのですもの。大丈夫よ……」
優しいその声に、そっと頭を撫でてもらったような気がした。
それに安心して、リディルは深いところまで意識を落とした。
ふっと目を開けたとき、そこは暗闇に包まれていた。
最後の記憶が真っ白な空間だったためか、暗闇に目が馴染まず、目を開けたのかそうでないのか分からなかった。
何度も瞬きを繰り返し、吐息をつきながら腕を伸ばす。
肌にさらさらとした柔らかい感触が伝わり、何となくベッドに寝ているのだということを認識した。
手を伸ばしても、もう届かない。
このまま離れたらもう二度と逢えないような気がして、リディルは必死に手を伸ばした。
けれども、その手がフェイレイに届くことはない。
ふと、遥か下の方に、懸命に駆けてくるピンクブロンドの髪をした女性の姿が見えた。
「ローズさん! ローズさん! フェイを、お願いっ……!」
普段叫んだりしないリディルが、精一杯声を張り上げてローズマリーに想いを託した。
それがローズマリーに届いていたのかは分からない。
リディルの意識は、白い光の中へと吸い込まれていく。
(フェイ……フェイ……)
薄れる意識の中でも、ずっと呼び続ける。
「大丈夫」
リディルの願いを込めた小さな声に、凛とした女性の声が響いた。
「貴女が助けたのですもの。大丈夫よ……」
優しいその声に、そっと頭を撫でてもらったような気がした。
それに安心して、リディルは深いところまで意識を落とした。
ふっと目を開けたとき、そこは暗闇に包まれていた。
最後の記憶が真っ白な空間だったためか、暗闇に目が馴染まず、目を開けたのかそうでないのか分からなかった。
何度も瞬きを繰り返し、吐息をつきながら腕を伸ばす。
肌にさらさらとした柔らかい感触が伝わり、何となくベッドに寝ているのだということを認識した。