Faylay~しあわせの魔法
ヴァンガードの言葉に目を丸くしていると、遠くの方でズズン、と何かが爆発する音が聞こえた。
そちらへ目をやると、高い波間に大きな戦艦がチラリと見え隠れしていた。
「ったく、何が海軍だ! ちっとも役に立ちゃしねぇ!」
「やっぱ海で一番強いのは俺たちだな!」
そう言いながら、頭にバンダナを巻きつけた逞しい体つきの海賊たちがフェイレイの前に現れる。
「よっ、『勇者』の新船長! すぐに皇都まで届けてやっからよ、メシでも食って待ってろや!」
「そうそう、ま~た腹ペコで倒れんぜぇ~」
バシバシとフェイレイの肩を勢い良く叩いた海賊たちは、すぐに魔族との戦闘に戻っていく。
「あの人たちの言う通りです。まずは身体を回復させてください。足、ふらついてますよ」
「ああ、うん……」
フェイレイはまだ寝ぼけているような顔で頭を掻く。
「ええと……海軍?」
「アライエルの海軍です。貴方が皇都へ遠征するというので、護衛についてきました」
「はあ?」
「貴方、『勇者』にされてるんです。全世界の人たちに」
「はあ?」
「とにかく中へ。話は食堂でしましょう」
ヴァンガードは揺れる船の中を、何でもないようにスタスタと歩いていく。
その後姿に、フェイレイは彼を頼もしく思った。
そちらへ目をやると、高い波間に大きな戦艦がチラリと見え隠れしていた。
「ったく、何が海軍だ! ちっとも役に立ちゃしねぇ!」
「やっぱ海で一番強いのは俺たちだな!」
そう言いながら、頭にバンダナを巻きつけた逞しい体つきの海賊たちがフェイレイの前に現れる。
「よっ、『勇者』の新船長! すぐに皇都まで届けてやっからよ、メシでも食って待ってろや!」
「そうそう、ま~た腹ペコで倒れんぜぇ~」
バシバシとフェイレイの肩を勢い良く叩いた海賊たちは、すぐに魔族との戦闘に戻っていく。
「あの人たちの言う通りです。まずは身体を回復させてください。足、ふらついてますよ」
「ああ、うん……」
フェイレイはまだ寝ぼけているような顔で頭を掻く。
「ええと……海軍?」
「アライエルの海軍です。貴方が皇都へ遠征するというので、護衛についてきました」
「はあ?」
「貴方、『勇者』にされてるんです。全世界の人たちに」
「はあ?」
「とにかく中へ。話は食堂でしましょう」
ヴァンガードは揺れる船の中を、何でもないようにスタスタと歩いていく。
その後姿に、フェイレイは彼を頼もしく思った。