Faylay~しあわせの魔法
森の精霊フォレイスがフェイレイとリディルの傷を癒し、花の精霊ミンミンが、華麗なダンスで彼らに戦う力を授ける。
『邪魔をするな……』
どこからともなく響く魔王の声に呼応するように、繭がフェイレイたちを押しつぶそうと力を強める。
「邪魔はそっちだ!」
たくさんの精霊たち、そして人々の想いを受け取ったフェイレイは、渾身の力を剣に篭めた。
「もういい加減、誰かを傷つけるのはやめろ!」
光を纏った剣が勢い良く振られると、黒い繭は四方八方に弾け飛んだ。
やっと抜け出せた、と上を見上げると、巨大な黒い手が揺らめきながらフェイレイを押しつぶそうと降ってきた。
「──っ!」
剣を掲げ、それを受け止める。
あまりの圧力に一瞬で足が硬い床を付き抜け、砕き、バランスを崩して仰向けに倒れた。
更に圧し掛かる手に、小さな精霊たちがぺたりと張り付いて引き離そうとする。しかしすぐに手から揺らめき立つ黒い霧に呑まれ、消えていった。
援護しようとするヴァンガードたちにも黒い霧が伸び、叫ぶ間もなく吹き飛ばされる。
「やめろ!」
フェイレイが叫ぶと、彼の隣から白い腕が伸び、魔王の巨大な手にそっと触れた。
「やめて、アルトゥルス。大人しく、してて……」
彼女の最後の力が細く光る糸となり、巨大な黒い腕を、身体を、足を、次々に絡めて縛り上げていく。
『リディアーナ……どんなに逆らおうと、逃げようと、お前は永遠に私のものだ!』
『邪魔をするな……』
どこからともなく響く魔王の声に呼応するように、繭がフェイレイたちを押しつぶそうと力を強める。
「邪魔はそっちだ!」
たくさんの精霊たち、そして人々の想いを受け取ったフェイレイは、渾身の力を剣に篭めた。
「もういい加減、誰かを傷つけるのはやめろ!」
光を纏った剣が勢い良く振られると、黒い繭は四方八方に弾け飛んだ。
やっと抜け出せた、と上を見上げると、巨大な黒い手が揺らめきながらフェイレイを押しつぶそうと降ってきた。
「──っ!」
剣を掲げ、それを受け止める。
あまりの圧力に一瞬で足が硬い床を付き抜け、砕き、バランスを崩して仰向けに倒れた。
更に圧し掛かる手に、小さな精霊たちがぺたりと張り付いて引き離そうとする。しかしすぐに手から揺らめき立つ黒い霧に呑まれ、消えていった。
援護しようとするヴァンガードたちにも黒い霧が伸び、叫ぶ間もなく吹き飛ばされる。
「やめろ!」
フェイレイが叫ぶと、彼の隣から白い腕が伸び、魔王の巨大な手にそっと触れた。
「やめて、アルトゥルス。大人しく、してて……」
彼女の最後の力が細く光る糸となり、巨大な黒い腕を、身体を、足を、次々に絡めて縛り上げていく。
『リディアーナ……どんなに逆らおうと、逃げようと、お前は永遠に私のものだ!』