Faylay~しあわせの魔法
剣を掲げ、迫り来る巨大な闇の塊を受け止める。その瞬間に吹き飛ばされそうになったが、歯を食いしばって堪えた。
「絶対に」
ビリビリと身体中が痺れ、幾千もの傷が走る。
「絶対にっ」
感覚が麻痺して、そのまま塵となって消えてしまいそうだ。けれど、意地でも後退しなかった。
「絶対に、護る!!」
そう、叫んだ瞬間。
フェイレイから白い光がぶわっと噴き出し、渦となって彼の身体を呑み込んでいった。
「な……なんだ!?」
驚いて目を丸くしていると、辺りにさあっと白い霧が立ち込めてきた。
目の前にあるはずの景色はすべてミルク色の霧に遮られてしまい、何も見えなくなる。
ふわりと辺りを包み込む霧は、目を丸くしているフェイレイの肌を優しく撫で、ゆっくりとたゆたっていく。
今までの喧騒が嘘のように何の音もしない、何の気配もない、神聖な静寂に包まれた空間。
そこに、重厚で低い声が響く。
《ようやっと、辿り着いたか》
その声に、フェイレイは聞き覚えがあった。
「あんた……リディルを俺に託した人!」
どこから声が聞こえてくるのか、キョロキョロと辺りを見回していると、少しずつ霧が晴れてきた。
《私は信じていた。お前がいつか、己に流れる悪しき血を振り払い、完全なる光の道を切り開くことを》
目の前に、ゴツゴツとした岩肌のようなものが見え始める。
「絶対に」
ビリビリと身体中が痺れ、幾千もの傷が走る。
「絶対にっ」
感覚が麻痺して、そのまま塵となって消えてしまいそうだ。けれど、意地でも後退しなかった。
「絶対に、護る!!」
そう、叫んだ瞬間。
フェイレイから白い光がぶわっと噴き出し、渦となって彼の身体を呑み込んでいった。
「な……なんだ!?」
驚いて目を丸くしていると、辺りにさあっと白い霧が立ち込めてきた。
目の前にあるはずの景色はすべてミルク色の霧に遮られてしまい、何も見えなくなる。
ふわりと辺りを包み込む霧は、目を丸くしているフェイレイの肌を優しく撫で、ゆっくりとたゆたっていく。
今までの喧騒が嘘のように何の音もしない、何の気配もない、神聖な静寂に包まれた空間。
そこに、重厚で低い声が響く。
《ようやっと、辿り着いたか》
その声に、フェイレイは聞き覚えがあった。
「あんた……リディルを俺に託した人!」
どこから声が聞こえてくるのか、キョロキョロと辺りを見回していると、少しずつ霧が晴れてきた。
《私は信じていた。お前がいつか、己に流れる悪しき血を振り払い、完全なる光の道を切り開くことを》
目の前に、ゴツゴツとした岩肌のようなものが見え始める。