Faylay～しあわせの魔法

『魔王』による世界崩壊の危機は脱した。


人を憎む魔王は世界を滅亡させようと１０年前にその力を強め、増加した魔族たちが精霊を押さえ込み、そのせいで世界中が自然災害に見舞われた。

だがそのときは、惑星王の精霊の女王召喚により、なんとか事なきを得た。

しかし魔王はそれで滅ぶことはなく、虎視眈々と機会を狙い続けていたのだ。

そして白羽の矢を立てられたのは、惑星王から全幅の信頼を寄せられていたアレクセイ＝ラゼスタ星府軍元帥である。

魔王はアレクセイに惑星王を監禁させ、その地位を利用して星府軍を動かし、いくつもの国を壊滅させた。

これに危機を抱いた同盟国により、ミルトゥワ連合軍が設立、そして出撃。

凄まじい戦闘の末、連合軍指揮国となったアライエルが生み出した『勇者』、フェイレイ＝グリフィノーによる精霊王召喚により、アレクセイ、及び魔王は消滅。

惑星王カイン皇帝陛下、並びに皇后陛下は無事に救出された。しかし皇女殿下は未だ行方不明で、現在も探索が継続中。

魔王に操られた星府軍には情状酌量が認められたが、軍は解体。

現在は新たな体制のもとに新星府軍を組織しているところである。


壊滅に追い込まれた国々や未だ続く自然災害の傷跡は凄まじいが、世界には再び平穏が訪れたと言って良いだろう。

連合軍は惑星王と世界を救った『勇者』の功績を称え、彼に最高位の名誉勲章を与えることとする……。



以上が連合軍が世界へ向けて発信した、今回の戦争の全貌である。