Faylay~しあわせの魔法
「久しぶりだなぁ、兄ちゃん! お互い生き残ったねぇ、頑張ったねぇ」
「あんたはなんで皇都に……」
「そりゃあ、今は皇都が一番景気がいいって言うからさぁ。海を渡ってきたのよ」
フェイレイはハッとした。
この人はセルティアにいた人物だ。もしかしたら、セルティアの人たちも元気にしているのでは……。
「あんた知ってるか! セルティアの人たちが今どうしているか!」
飛び掛るようにして聞くフェイレイに、露店主はサングラスの奥で目を丸くした。
「い、いやぁ、それが、セルティアが星府軍に襲われる前に、北に渡っちゃったんだよぅ。だからセルティアのことは分からないよ。すまないねぇ、役に立たなくて」
「……そっか。うん、いいんだ、ありがとう」
少しだけ気落ちした様子のフェイレイに、露店主は気の毒に思ったのだろう。
「兄ちゃん、ちょっと待ちな!」
立ち去ろうとするフェイレイを呼び止め、指輪がいくつも並べられたガラスケースを差し出す。
「兄ちゃん、どれでも好きなの選んじゃってぇ~。この間のかわいい彼女さんに持ってきなよぉ」
「え……」
「遠い東の地で出会ったお客さんにまた逢えたのも何かの縁だよ。どれでもプレゼントしちゃうよぉん。他のお客さんには内緒だけどねぇ」
露店主は笑顔でガラスケースを差し出す。
太陽の光を浴びてキラキラ輝く金や銀の指輪たちをしばし眺め。
「……いや、いいよ」
フェイレイは小さく笑みを浮かべ、やんわりと断った。
「あんたはなんで皇都に……」
「そりゃあ、今は皇都が一番景気がいいって言うからさぁ。海を渡ってきたのよ」
フェイレイはハッとした。
この人はセルティアにいた人物だ。もしかしたら、セルティアの人たちも元気にしているのでは……。
「あんた知ってるか! セルティアの人たちが今どうしているか!」
飛び掛るようにして聞くフェイレイに、露店主はサングラスの奥で目を丸くした。
「い、いやぁ、それが、セルティアが星府軍に襲われる前に、北に渡っちゃったんだよぅ。だからセルティアのことは分からないよ。すまないねぇ、役に立たなくて」
「……そっか。うん、いいんだ、ありがとう」
少しだけ気落ちした様子のフェイレイに、露店主は気の毒に思ったのだろう。
「兄ちゃん、ちょっと待ちな!」
立ち去ろうとするフェイレイを呼び止め、指輪がいくつも並べられたガラスケースを差し出す。
「兄ちゃん、どれでも好きなの選んじゃってぇ~。この間のかわいい彼女さんに持ってきなよぉ」
「え……」
「遠い東の地で出会ったお客さんにまた逢えたのも何かの縁だよ。どれでもプレゼントしちゃうよぉん。他のお客さんには内緒だけどねぇ」
露店主は笑顔でガラスケースを差し出す。
太陽の光を浴びてキラキラ輝く金や銀の指輪たちをしばし眺め。
「……いや、いいよ」
フェイレイは小さく笑みを浮かべ、やんわりと断った。