Faylay~しあわせの魔法
色とりどりの紙ふぶきが舞う中、船から下りたフェイレイたちを出迎えたのは、たくさんのアライエル国民とユージン率いる騎士団だった。

人々に揉みくちゃにされながら馬車に乗り込み、王城まで向かう。

懐かしさを感じる青い屋根の王城に到着すると、まずは休むようにと、以前と同じ離宮へ案内された。

だが通された部屋は少し違う。

「内密に話されたいとのことでしたので、こちらへ」

ドアを開けてくれたユージンの顔を見ながら部屋の中へ足を踏み入れると、まずは高い天井から吊り上げられたシャンデリアが目に入った。

高い天井や白い壁、そして磨き上げられた床には金で模様が描かれ、細長い青い絨毯が敷かれている。

その絨毯の先には青いビロードで装飾された玉座があり、頭上に冠をかぶった白髪の男性が座っていた。その上の壁には金で描かれたグリフィンの紋章がある。まるで玉座の間だ。

「……王様みたいな人がいるけど」

「アライエル王です」

フェイレイが感想を述べたところで、ユージンがにっこりと微笑みながら言った。

「……え!?」

「アライエル王です」

ユージンは笑顔で更に言った。

言葉を失っているとユージンに前に進むよう促された。良く見れば、玉座の隣にはイライザ姫が立っている。

「何を呆けておるのだ。さっさと来い」

腕組みをした姫は、踏ん反り返って声をかけてきた。

「イライザ」

「姫」

アライエル王、そしてユージンから嗜める声が上がる。

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